真向法が痛くて、つらい?


 
鶴川駅前の真向法教室で3人の女性会員さんから相談を受けた。
いずれもまじめに意欲的に取り組んでいる人ばかりだ。
「真向法体操を自宅でもやろうとするのだが、痛くてつらい、むつかしいのでついおっくうになる」という。
たしかに3人とも体はかなり硬い方だ。しかし、真向法は高齢者でもできるやさしい体操というのがキャッチ・フレーズの体操である。どうしてそんなことをいうのか不思議でじっくり聞いてみた。

「先生や本で教えてもらっているお手本通りに一所懸命やっているのだが、一向にうまくならないし、痛くてつらい。」というのだ。
練習中も少しでも曲がるようにと一生懸命にやっている。

それで分かった。彼女たちに共通するのは、太字のキーワードだ。
<まじめ、一所懸命、うまくなりたい、先生のように上手にできない、痛い、つらい>
教室の中で「無理しないでね。痛、気持ちいいところでとめて。息をはきながら力を抜いて、
人とくらべないで。」と繰り返しいってきたつもりなのに、結果的には理解されていなかったことに教える側としてショックを受け、反省した。

そこで、その日の練習では改めて、その辺をゆっくりと解説しながらやってもらった。
・4つの基本動作をやる前にいろんな筋肉をほぐす準備運動をまじえること。
・痛いところの寸前でとめること。
・腰を立て、背中をまっすぐにが保てる範囲で前屈すればよい。一所懸命頭を床に近づけようと
 がんばってはいけない。
・上体の力を抜くこと。力んではいけない。前屈動作をがんばってはいけない。
・人と比べてはいけない。達人のお手本どおりにやろうとしなくていい。教科書には膝を伸ばし、足 首を立ててと書いてあるが、あれは上手になったからできる到達点であって、その構えすらできな い人はお尻に座布団をあてたり、膝をやや曲げたりしていいのです。それよりいちばんいけないの は頭を下げ、腰・背中を丸めて必死に長座前屈、開脚前屈などをうんうんいいながらやること。

彼女たちは、「まじめ」だからこそハマル落とし穴に落ちてもがいている。
日本人の特性(?)である「マジメ、いっしょうけんめい」が、力みにつながり、痛い、つらいの原因になっている。
まず「人と比べないこと、力まないこと」を徹底的に理解し、心身のリラックスを体得してもらわなければならない。彼女たちにとってそれは価値観の転換を要求されることとなるだろう。
高岡英雄さんの「ゆる体操」はそのへんを喝破したすばらしい国民体操だと思う。

日本人はテンション民族だから、本番に弱い。
緊張して、一所懸命に、歯を食いしばって、ガンバリマスといわないと好意的にみてもらえない民族である、逆にそういってればゆるされる民族であることを改めて確認した。
 このブログでもなんどか書いたが、この日本特有メンタルこそが、うつ病が多い、自殺が多い、国際競技に弱いなどの原因であることをもっともっと強調して、改善していかなければならないと、一所懸命、力説するマッコウオヤジなのであった。