誰も落ちないすばらしい試験


年に一度の真向法段級審査が麻生スポーツセンターで行われた。
今年も近隣数教室の人たち60数名が集まった。
審査員は真向法協会佐藤良彦会長。麻生真向会の段級審査に初回から
今日まで18年間来ていただいている。お顔ツヤツヤ、姿勢まっすぐ、
全国を飛び回る元気いっぱいで、御歳は聞いてびっくりの78歳。
お話上手で、今年は、「真向法では1日、1ミリ柔らかくと言っていますが、
1年1ミリを40年くらいの気持ちで教室通いを続けてください」という部分が
記憶に残った。昨今の「5分で治るなんとか健康法」的な売り込み文句とは
対極にある気の長い話なのだ。


 私は段級審査を受けるのは今年で5回目、つまり満5年実践したことになる。
今年は1級に挑戦した。
といっても真向法の段級審査で落ちたという話は聞いたことがない。
受ければ受かる試験なのだ。それでもみんな緊張して審査に臨んでいる。
やはり大勢の人の前で、達人先生に看られるのだから緊張するだろう。
とくに自分の番を待っている間にいろいろ考える。
あああの人は上手いなあ。自分もうまくやれるだろうか。
いや、上手くやる必要はないのだ。いかに力を抜くかだ。
ああ苦手の開脚前屈は去年よりほとんど進歩してないなあ、などなど。
 
 そこでふと気がついた。「ああ、段級審査の本当の審査員は自分自身なのではないか」。
自分の進歩具合、自分の実践度合い、すべて自分が一番よくわかっていることだ。
段級審査は、この一年継続した証であり、実践具合を自分であらためて検証する機会を与えてくれているのだろう。