逆転の発想で悪筆コンプレックス解消す。


長年人一倍書いてきたのに
我が書き文字、いっこうに上手くならず。
じっと手を見る。

自分のメモが判読できないこともしばしばであります。

意識的にゆっくり、丁寧にかけばいくらか増しなのですが、
普通のスピードでメモするともういけません。

ペンの持ち方には長年違和感を感じてきました。
どうも気持ちよく持てず、力みが入って疲れるのです。

正しいペンの持ち方を知りたくて、
世の習字本を何冊も読みましたが、
各指の力加減や感覚まで、わかりやすく解説したものは見当たりません。
どの指の、どの部分の筋肉を、どのように使えばいいのだろう?
高校の習字の先生に、尋ねたことがありますが、
明確な答は得られませんでした。

そんなある日、7月4日の朝でした。

徒然なるままに、新聞の余白に書字練習を
していたら、突然天啓がひらめいたのです。

「ひょっとして筆の持ち方はどうでもいいのではないだろうか?
手が使えなくても、筆を口に加えて立派な字を書く人もいるではないか。
ロボットのアームに筆を取り付けて、書道ロボットに字を
書かせるとしたら、指は使わずにアームの動きだけで上手に書くのでは
ないだろうか。」
これが最高のヒントになりました。
「よし試しに指を動かさずに書いてみよう。」

この天啓に従って、ボールペンを適当に持ち、
指は全く動かさずに腕、肘の操作だけで書いてみました。
すると、指から力が抜け、伸び伸び、すらすらと
読みやすい字が書けるではありませんか。
書く事の快感さえ覚えたのです。
これならいくら書いても疲れそうもない!

ペンの持ち方に対するこだわり、迷いを捨て、
指を極力使わずに、腕と肘で書く。
この新しいやり方によって
これまでのぎこちなさ、力み、違和感がみごとに消えたのです。
嬉しい。本当に嬉しい。
習字の神様ありがとう。迷える老羊をあわれに思し召して、
やっとお導きの手を差し伸べてくださったのですね。

それにしても今までの悩みはなんだったの?
分かってみればコロンブスエッグ。
もっと早く誰かがこれを教えてくれたら、
どんなに毎日が快適だったことでしょう。
と恨み言もついいいたくなる
遅い春でした。