映画「RAY」に見るアメリカの勇気

 
レイチャールズの伝記映画DVD「Ray」をPCで見た。
「愛さずにはいられない」は日本でも大ヒットし、
今でも英語で口をついて出るくらいよく口ずさんだ曲のひとつだ。
当時は彼がどういう人かなどはまったく知らずただその曲のよさだけを
楽しんでいたわけだが、この映画を見て彼の音楽がどういう背景のもとに
出来上がったのかを知り、あらためてそのすばらしさを再認識した。

 盲目の黒人という二重の差別ハンディを乗り越えた出世物語美談としてだけではなく、幼児期のトラウマや盲目のストレスなどから麻薬や女に逃げ込んだ「反社会的」で、凄惨な私生活も含めて赤裸々に描かれている。そういう私生活をバネにしてこそ生まれた名曲だともいっているようだ。
あれだけの大スターを等身大にいいも悪いも率直にさらけ出す表現勇気。あらためてアメリカ社会の懐の深さ、主張しあう民主主義に感銘を受けた。