地に足がつかない恐怖

 
まだあると思った下り階段がなかった。もうないと思った階段がまだあった。一段降りるつもりが一段飛ばしで降りてしまった。という未事故がこの半年ぐらいの間に3回あった。幸い転倒や捻挫等にはいたっていないがいずれも心理的ショックをともなう。原因は老化によるぼんやり現象だろうと思うが、ハインリッヒの法則ということもあり、気になるのでネットで調べてみたら、結構よくあることらしい。なかにひとつ、なるほどと思う説明を見つけた。

「人間は実は無意識に一瞬先を予測して、一瞬先をコントロールして生きています。そして、その一瞬先の予測とコントロールが狂ったとき「パニック」になります。例えば
? 階段を下りていて、もう一段あると思って足を運んだらなかった。その時、ものすごく驚きます。
? 車、自転車で道を走っているときに、脇道から何かが飛び出してきて、とっさによけるかブレーキを踏もうとしたら、うまく、思ったように体が反応しなかった。このときも、一瞬パニックになります。
? これが一番にいたいことですが、泳いでいるときに足がつった、水を飲んだ、足がつくと思って休もうとしたら足が届かずおぼれそうになった。これは激しいパニックになります。

このように、人は一瞬先を予測して、それをコントロールしながら生きています。そして、その予想が狂ったり、コントロールを失うとパニックになります。これらの場合、何が原因なのかは明らかなので、一瞬のパニックのあと「あーびっくりした、死ぬかと思った」「全然予測していなかった、一瞬気が動転して、我を忘れてしまった」となります。

つまり、こういった反応は人間の体にはじめから仕組まれているメカニズムだということです。では、このような日常出くわすことと、パニック障害の症状はどのように違うのでしょうか。それは何が原因なのか全くわからないということです。原因がわかれば対策を立てられます。それが、原因不明の激しい恐怖が、全く予想外にしばしば襲ってくるとなるとどうなるでしょう。もう何を信じて良いかわからず、危険な場所には近寄りたくなくなるのが人情です。そして、常に恐怖に襲われるのではないかと身構える生活になるのも当然でしょう。前者が広場恐怖、後者が予期不安と呼ばれるものです。」
(「心療内科のお話」http://www.psm-blog.com/archives/22336211.htmlより)

なるほど。予測が外れるからパニクルのか。
では予測していればいいのだな。階段を降りながら「次の段があるかどうかわかったもんじゃない。思い込みに注意しよう。」と言い聞かせる習慣を身につけることとしよう。