新宿下車 ぶらりパリの旅


恵比寿へ出た帰りに新宿で途中下車し、西口にある損保ジャパン42階にある東郷記念美術館へ立ち寄った。
損保ジャパンには異業種交流会会場を提供していただくなど大変お世話になっている。
この美術館は「ひまわり」の落札購入で話題になったことがある。
今はユトリロ展をやっている。解説用ヘッドフォンを借り、しばしぶらりパリの旅を楽しむ。
ユトリロはパリの町並みばかりを描き続けた変わった画家で、そのことで人々の印象に残る、まさに一点集中、継続は力なりの人だ。
ユトリロは継父に認知された私生児で、母は画家で芸術家仲間と奔放な青春を送った。
複雑な少年期にユトリロはアル中になり、入退院を数十回繰り返したという。いい作品はアルコール依存と共存していた。彼の絵からはそんな葛藤はまったく感じられない。繰り返し描いたのは漆喰壁の建物は静かな住宅街ばかりで淡々とした風景だ。人間にはあまり関心がなかったようで、裸婦も自画像も皆無である。
同じような絵を繰りかえし見ているうちに、ユトリロといえば白い壁の建物が脳裏にしみついていくというわけだ。

1階で子供たちの「卵」を使った作品展をやっていた。卵は非常に美しいフォルム、神の造形。たくさん集めると楽しい模様になる。

外へでると目の前に大きな卵がたちふさがった。新新宿名物コクーンビル。アーティスト養成学園のビルで、新宿を楽しい風景にしたと思う。