叩けよさらば開かれん。

 自宅のすぐ近くにある桜美林大学は地域社会人向けの生涯学習講座に熱心である。ホームページの講座一覧にヨガと太極拳の講座があった。ヨガはインド発、太極拳は中国発だからここは日本発の真向法もぜひ加えていただかなければと思い事務局に電話してみた。
 
 実は数年前からつぎは桜美林で真向法教室をやりたいと常々思っていたのだ。
電話に出られた責任者の方いわく、大学らしい「文化」的な講座企画を求めており、一般のカルチャーなどと同じような体操を大学としてやることについての「大義名分」をどう説明したらいいか困っている。それとキャンパスには普通の教室しかないので体操の場所確保に苦労していると、あまり乗り気ではなさそうな感じだった。
が、体育が文化的ではない?と言われたのでは、体育学の教授は立つ瀬がない。和光大学で真向法実践講座を健康体操学として正規授業にまで展開しているわれわれとしても一言もうさねばならない。昔から心技体、知育・徳育・体育というではないか。どれが欠けてもバランスのとれた人間教育にはならない。ややもすると生涯学習というのは座学のみの教養講座が多い。環境学をいくら学んでも道端の紙くずをとっさにひろえないようでは困る。人体の知識をいくら学んでも健康にはならない。まず身体で体験し、続けることによってそれが好きになり、もっと深く知りたいと知識欲が沸くというのが順序だろう。体で学ぶことは重要な教育要素なのだ。これだけは生涯学習の企画の方に理解してもらわねばと感じ、とにかく一度説明を聞いていただきたいとなんとかアポイントをとることができた。
 はじめて入る駅前サテライトキャンパスは今風の無印的すっきりデザインの建物。一階は広くて明るい空間のロビー。床面がひろびろと空いている。おう、マットをもってくればここで十分できるではないか。入り口ホールでストレッチをやっている図、現代の大学らしいおしゃれな風景ではないかと勝手な夢想を抱きながら受付へ。
面談していただいた責任者のかたは真向法をご存知なかったので、持参した本「股関節ノチカラ」や、新掲載記事、協会のホームページなどを使って説明していると、向こうの方から「実は多摩市のカルチャーセンター施設を大学が買い取ったのでそちらの方で秋からやってみてはどうか」といきなり前向きな話が飛び出してきた。単に体操するだけではなく、筋肉理論、ストレッチ理論学習など大学らしい要素を加えてもらえるとなおいいとのこと。それは望むところとふたつ返事で検討を約して詳細条件をこれから詰めていくこととなった。

かくして拍子抜けするほどすんなりと受け入れてもらえそうな結果となった。
「犬も歩けば棒にあたる」は我がモットーだが、まさにそんな感じ。これもとにかく体を動かし行動した効果だろうか。
さすがミッション大学。叩けよさらば開かれん、求めよさらば与えられんの精神が生きている。謝々。